現在の教室登録院数 2603 件

ユーコ・スミダ・ジャクソンのストリートダンス ダンスコラム

ユーコ・スミダ・ジャクソンのスペシャルコラム

COLUMN LAST ROUND マイケルとの出会い「デンジャラス・ツアー」

自分が目指すグレートダンサーにどこまで近づけるか

世界中の多くの人がリスペクトし、そして多くのファンから愛され続けているマイケル・ジャクソン。彼がこの世を去ってしまってから3年の月日が流れた今尚、彼から、多くのことを学び、貴重な体験から沢山のギフトを与えられ続けているという事実に心より感謝しています。そんな自分の体験を様々な形で沢山の方々と共有させて頂く機会がある限り続けて行こう、それがマイケルへの感謝の思い、追悼になっています。

1992年、私はマイケルが世界28カ国で展開することになった「デンジャラス・ツアー」の女性初のバックダンサーとして、起用されるという幸運を手にしました。 世界で通用するグレートダンサーを目指し、九州から上京し、その後単身アメリカに渡り、ひたすらダンスに打ち込んだ日々が報われた瞬間であり、あの経験は言葉では言い尽くせない、その後の私の人生に多大なる影響を与えた出来事でした。

選ばれるという「確信」

マイケルとの仕事は「デンジャラス・ツアー」の前、実は1991年に「Black or White」のPVに出演したのが始まりでした。その時、私は直接マイケルと接することはありませんでしたが、オーディションではプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、精一杯のパフォーマンスをしたのを記憶しています。

1992年「デンジャラス・ツアー」のオーディションはツアー開始の2ヶ月前くらいに行われました。マイケル・ジャクソンのバックダンサーというだけあって、世界中から相当数の応募があり、1次審査では500人近いダンサーが集まっていたと記憶しています。

そこはもう誰もが「私こそは!」という闘志に燃え、何とも言えない熱気と重圧が重なり合う空気に包まれていました。私はその中で「何人が相手だろうと負けない!」と、自信を持って臨みました。そして何故か「マイケルが自分を選んでくれる」。という確信めいたものがあったのも事実です。

私は3次審査も通過し、最終審査に残りました。最終審査に残ったのは7~8人だったと思います。残った彼女たちは、ほとんど見覚えのある一流ダンサーばかり。多くのオーディションで顔を合わせていましたし、私自身がリスペクトするダンサーもいました。

最終審査は一人約1分。ストップサインが出るまで、カメラの前で踊り続け、後日マイケル自身が映像を見て、決定するというものでした。

この1分で全てが決まってしまう。色々な思いがありましたが「私は自分のベストを尽くすのみ。後で後悔だけはしたくない」そう自分に言い聞かせると、自然に曲に合わせ体が動き、固定カメラをマイケル本人だと感じることができましたし、マイケルに向けて自分を伝えきれた気がしました。

そして、私はその「一人」にマイケル本人から指名され、長期ツアーに同行する栄誉を得ることができたのです。

自分のベストを尽くすということ

今になって思うと、マイケルが私を選んでくれると確信したことが、何故だったのかが少しずつわかるようになりました。

私はそれまでも自分のベストを尽くし、どんな状況下においてもその時の自分のベストを出し切れるのがプロであると考え行動してきました。それが時に全く受け入れられない結果になることもありましたが、その時々にベストを尽くしてきた。肌の色や人種など超えてジャッジしてくれるであろうマイケルだったら、そんな自分をわかってくれる、選んでくれると信じることができたのだと思います。

マイケルの波動と人々への愛

「デンジャラス・ツアー」の詳細は、ここでは残念ながら全てを語り尽くせないのですが、ステージの熱狂は半端なものではありませんでした。そして、私自身が何度もマイケルの「オーラ」というレベルをはるかに超えた「波動」を体感しました。目に見えない物が体に「どーん」と波動と振動音で伝わってくる。それはマイケル以外のアーティストでは感じることが無かった凄まじい空気です。 そして何より、マイケルがそこに居るだけで関係者の誰もが不思議なパワーに満たされ、そして私たちの未知の可能性を最大限に引き出してくれました。ステージにおいて自分だけが特別な存在ではなく、出演者それぞれが輝いてこそ、完璧なものが出来上がると彼自身が考えていたからだと思います。

彼がどれほど自分に厳しい努力家であり、頂点まで昇りつめるためのプロ意識、真の才能を持っていたかは私だけでなく、多くの人が感じ取っていることです。そして、どれ程他人に愛をもって接し、クリエイトする人であったか、私はその姿を一時期間近に見ることができたこと、このかけがえのない経験をどんなに年月が経とうと大切にしたいと思っています。

沢山のギフト

初めてNYに渡った日から20年近く経つアメリカ生活にピリオドを打ち、2009年には東京の二子玉川に「アウェイクニング」という自身考案のコンディションニングのレッスンや多種のダンス・ヨガなどを取り入れたスタジオをオープンさせました。アメリカでの様々な貴重な経験と素晴らしい出会い、結婚、愛娘コナの誕生、そして愛する夫ジョージとの早すぎる別れ、凝縮されたと言えば簡単な言葉であり、あの20年間があったからこそ、今、私はここに感謝の念を持って存在しているのだと思います。

私にとって、ダンスは生きることです。どんな時もダンスが私を支え、今でもダンスが次の私の人生のステージ、可能性を切り開いてくれています。そしてダンスを通じ出会えた人々から、心のギフトを贈られ続けているのです。

そのギフトは、踊ることへのリスペクトであり、時に「想うこと」であり「行動する」ことであり、「決心する」ことで、私自身、生きる道標を与えてもらうような感じです。

子供から幅広い世代の方々にダンスを通して、そんな想いや経験を共有または伝えていくことができることに感謝の気持ちでいっぱいです。

(社)日本ストリートダンス認定協議会がダンスの「指導認定研修大会」を開催

文部科学省による中学校の学習指導要領改訂に伴い、2012年度から、すべての中学校において武道およびダンスの学習が必修科目となります。

そこで、文部科学省後援の元でダンス指導に必要な知識や教育方法の研修を行う「日本ストリートダンス指導認定研修大会」を開催し、ダンス指導者のライセンス発行を行います。

【カリキュラム】

・学科、実技、マナー(安全指導含む)

【参加条件】

・18歳以上
・学校にて指導に携わっている方、又は指導員及びこれから指導に携わる方、ダンス経験があり指導者を目指したい方、インストラクターを志望の方
・各種団体、協会推薦を受けた方、他

»新着コラム

コラムニストNo.17:MILO

日本とジャマイカで活躍するレゲエダンサー。所属しているATTACK DEM SQUADでは2013年にレゲエの世界大会であるWRDCで優勝し、TV出演やDVDの出版、スクールの講師など広く活動している。

コラムニストNo.16:のりんご☆

ダンスと大道芸を融合させた日本における第一人者として様々なメディアやイベント等に出演。 長年のダンス指導の経験を買われ、ダンス教育のJDAC (社)日本ストリートダンス認定協議会の認定委員長に就任。中学校でダンスが義務教育になったことを受け、文部科学省後援 日本ダンス指導者認定研修大会の実行委員長に就任。ダンス指導者の育成、ダンス教育のプログラムの作成等に努めている。

コラムニストNo.15:KAORI

TVやショー、インストラクターとして活躍中のKAORI。 活動拠点・福岡のソウルフルなノリ&かっこいいスタイルを全国に伝えたい!

コラムニストNo.14:河邉こずえ

3歳からクラシックバレエを始め、国内外で数々の賞を受賞。 現在は、自ら舞踊創作も行う河邉こずえが語るダンスへの想いとは─

コラムニストNo.13:Matsuya

19才の時に上福し、Entartaiment Dance Team『Majestic-5』を結成。様々なコンテストやイベントに出演。 マルチな活動でダンス業界と他業種界の架け橋となり、『九州ストリートダンス界のアイコン』として活動中。

コラム一覧を見る

YUKO SUMIDA JACKSON ユーコ・スミダ・ジャクソン

1966年8月5日生まれ。 24歳で単身LAへ渡米。世界中から集まったオーディションを見事に突破しマイケル・ジャクソンの「デンジャラス・ツアー」で、初の女性バックダンサー1人枠として抜擢される。 マイケルと伴に世界28カ国をまわり、TV出演やショートフィルム「Ghost」出演まで6年間、マイケルのバックダンサーを務める。
その他、多数の有名アーティストのライブパフォーマンス、パリコレなどのモデルとしてステージに立ち続け、LA TIMES などのCM出演含め米国、ヨーロッパにて幅広く活躍。1997年「モータウンレコード」のCEOに就任したジョージ・ジャクソンと結婚。1児を出産。2000年に夫ジョージの急逝後、2004年に帰国。
劇団四季や著名人、アスリートまた子供からシニアまで一般の人達に対し、自身で考案したエクササイズ「アウェークニング」やダンスの指導を行っている。
アウェークニングスペース主宰。2007年には、Newsweek誌「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。

著作物

ヨガを超えた『アウェークニング』なら憧れボディが手に入る


ヨガを超えた『アウェークニング』なら無敵なボディが手に入る
(アマゾン1位獲得)


アウェークニングエクササイズ(DVD)


『JACKSON』自伝書

ページの先頭へ戻る